めまいが起きた時の対処法｜症状別原因と自宅でできる応急処置・予防法

突然のめまいに襲われて、不安になったことはありませんか？目の前がぐるぐる回ったり、ふわふわ浮いているような感覚になったり、立っていられないほどのふらつきを感じたり。めまいは、様々な原因で起こる症状です。このページでは、めまいの種類や原因、そして自宅でできる効果的な対処法と予防法を詳しく解説します。めまいの種類を知ることで、適切な対処法を見つけやすくなります。また、普段から生活習慣に気を配り、めまい体操を取り入れることで、めまいを予防することも可能です。この記事を読めば、めまいへの不安を解消し、安心して日常生活を送るためのヒントが見つかるはずです。

1. めまいとは？

めまいとは、実際には動いていないにもかかわらず、自分や周囲が動いているように感じる感覚のことです。ぐるぐる回るような感覚、ふわふわと浮いているような感覚、体が揺れているような感覚など、様々な形で現れます。単なる症状名であり、それ自体が病気ではありません。様々な原因によって引き起こされるため、原因を特定することが重要です。

めまいは、平衡感覚をつかさどる器官に異常が生じることで起こります。平衡感覚は、内耳にある三半規管、耳石器、視覚、そして筋肉や関節からの情報によって保たれています。これらの器官からの情報にずれが生じたり、脳への情報伝達がうまくいかなくなったりすると、めまいが生じます。

めまいは、吐き気や嘔吐、冷や汗、動悸などを伴う場合もあります。また、めまいの程度も様々で、ほんの少しふらつく程度のものから、立っていられないほどの激しいものまであります。症状が重い場合や、繰り返す場合は、放置しないようにしましょう。

1.1 めまいの症状

めまいには様々な症状がありますが、代表的なものとしては以下のものがあります。

症状	説明
回転性めまい	自分や周囲がぐるぐる回転しているように感じるめまい。
浮動性めまい	ふわふわと浮いているような、地に足がついていないような感覚のめまい。
動揺性めまい	体が揺れているような、不安定な感覚のめまい。
眼前暗黒感	目の前が一瞬暗くなる、または視界が狭くなる症状。
耳鳴り	耳の中で音が鳴っているように感じる症状。めまいと同時に起こることもあります。
難聴	音が聞こえにくくなる症状。めまいと同時に起こることもあります。

これらの症状に加えて、吐き気や嘔吐、冷や汗、動悸などを伴う場合もあります。

1.2 めまいを感じやすい時の状況

めまいは、特定の状況で起こりやすい場合があります。例えば、

• 朝起きた時
• 急に立ち上がった時
• 長時間同じ姿勢でいた後
• 乗り物に乗っている時
• 寝返りを打った時

などにめまいを感じやすいという方もいます。これらの状況でめまいを感じやすい場合は、その状況を避ける、あるいはゆっくりと動作を行うなどの工夫をすることが大切です。

めまいの症状や起こりやすい状況を把握することで、原因の特定や適切な対処法につながります。自己判断せずに、専門家に相談するようにしましょう。

2. めまいの種類

めまいには大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴を理解することで、適切な対処法を見つける手がかりになります。

2.1 回転性めまい

回転性めまいは、周囲がぐるぐると回転しているように感じるめまいです。自分自身か周囲が回転しているように感じ、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。数秒から数分続くこともあれば、数時間続く場合もあります。良性発作性頭位めまい症やメニエール病などでよく見られます。

2.2 浮動性めまい

浮動性めまいは、ふわふわと浮いているような感覚、または体が揺れているような感覚のめまいです。地面が揺れているような感覚や、雲の上を歩いているような感覚と表現されることもあります。不安定感やふらつきを伴うことが多く、メニエール病や自律神経失調症などで見られます。

2.3 動揺性めまい

動揺性めまいは、体が揺れている、傾いているような感覚のめまいです。船酔いのような感覚と表現されることもあります。立っているのが困難になることもあり、小脳や脳幹の障害、薬の副作用などで見られます。

めまいの種類	症状	考えられる原因
回転性めまい	自分自身または周囲が回転しているように感じる	良性発作性頭位めまい症、メニエール病など
浮動性めまい	ふわふわと浮いているような感覚、地面が揺れているような感覚	メニエール病、自律神経失調症など
動揺性めまい	体が揺れている、傾いているような感覚、船酔いのような感覚	小脳や脳幹の障害、薬の副作用など

これらのめまいは単独で起こることもあれば、組み合わさって起こることもあります。めまいの症状や持続時間、頻度などを把握しておくことは、原因を特定し適切な対処法を見つける上で重要です。

3. めまいの原因

めまいは、様々な原因で引き起こされます。原因によって対処法も異なってきますので、まずはご自身のめまいの原因を探ることが大切です。ここでは、めまいの代表的な原因をいくつかご紹介します。

3.1 良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症は、特定の頭の位置の変化によって引き起こされる、回転性のめまいです。頭を動かした時や、寝返りを打った時などに、数秒から数十秒程度の短い回転性のめまいが起こります。耳の奥にある三半規管という器官の異常が原因と考えられています。一般的には予後が良く、自然に治癒することも多いですが、繰り返す場合もあります。

3.2 メニエール病

メニエール病は、回転性のめまい、難聴、耳鳴り、耳閉感の4つの症状が繰り返し起こる病気です。めまいの発作は数十分から数時間続くこともあり、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。内耳のリンパ液のバランスが崩れることが原因と考えられています。

3.3 前庭神経炎

前庭神経炎は、平衡感覚をつかさどる前庭神経に炎症が起こることで、強い回転性のめまいが生じる病気です。多くの場合、突然発症し、数日間持続します。吐き気や嘔吐を伴うことも多く、ウイルス感染などが原因と考えられています。通常は1～2週間で症状は改善しますが、めまいが残ってしまう場合もあります。

3.4 脳梗塞・脳出血

脳梗塞や脳出血などの脳血管障害も、めまいの原因となることがあります。これらの病気では、めまい以外にも、ろれつが回らない、手足のしびれや麻痺、激しい頭痛などの症状が現れることがあります。緊急性の高い病気ですので、これらの症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。

3.5 その他の原因

上記以外にも、めまいを引き起こす原因は様々です。主なものを以下にまとめました。

原因	症状の特徴
貧血	立ちくらみを伴うことが多い
低血圧	起立性低血圧の場合、急に立ち上がった際にめまいが起こる
薬の副作用	服用している薬によってめまいが生じることがある
心身症・自律神経失調症	ストレスや不安などが原因で、ふわふわとした浮動性めまいが生じることがある

めまいの原因は多岐にわたるため、自己判断は危険です。めまいが続く場合や、強いめまい、他の症状を伴う場合は、適切な検査と治療を受けるようにしてください。

4. めまいが起きた時の対処法

めまいは、突然起きると恐怖や不安を感じてしまいます。めまいが起きた時は、まずは落ち着いて適切な対処をすることが大切です。ここでは、めまいが起きた時の応急処置と、症状別の対処法について解説します。

4.1 めまいが起きた時の応急処置

めまいが起きた時は、以下の応急処置を行いましょう。

4.1.1 安全な場所に移動する

めまいを感じたら、すぐに安全な場所に移動しましょう。転倒や事故の危険を避けるため、階段や道路など危険な場所からは速やかに離れてください。可能であれば、壁や手すりなどに掴まりながら移動すると安全です。

4.1.2 楽な姿勢をとる

楽な姿勢をとることも重要です。 座ったり横になったりして、楽な姿勢を保ちましょう。横になる場合は、吐き気がある場合は横向きになり、嘔吐物を誤嚥しないように注意してください。回転性のめまいの場合は、頭を動かさないようにすることが大切です。

4.1.3 目を閉じる

視覚情報がめまいを悪化させることがあります。目を閉じると、平衡感覚が安定しやすくなります。周囲の景色が動いているように感じたり、吐き気がしたりする場合は、目を閉じて安静にしてみましょう。

4.1.4 水分補給をする

脱水症状もめまいの原因となることがあります。めまいを感じたら、少しずつ水分を補給しましょう。ただし、冷たい飲み物は避け、常温の水やスポーツドリンクなどがおすすめです。

4.2 症状別めまいの対処法

めまいの症状は様々です。それぞれの症状に合わせた対処法を知ることで、めまいを早く改善することができます。

めまいの種類	症状	対処法
回転性めまい	周囲がぐるぐる回るように感じる	頭を動かさないように安静にする。めまいが治まったら、耳鼻咽喉科を受診する。
浮動性めまい	ふわふわと浮いているような感覚	ストレスを軽減し、十分な睡眠をとる。症状が続く場合は、医師に相談する。
動揺性めまい	体が揺れているような感覚	不安定な場所を避け、安全な場所で安静にする。必要に応じて、医師に相談する。

上記の応急処置や対処法を試しても、めまいが改善しない場合や、激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、すぐに専門家を受診してください。 また、繰り返すめまいや、日常生活に支障をきたすほどのめまいがある場合も、専門家への受診が必要です。

5. 症状別めまいの対処法

めまいの症状は人それぞれ異なり、その対処法も症状によって異なります。ここでは、代表的なめまいの種類である回転性めまい、浮動性めまい、動揺性めまいそれぞれの対処法について詳しく解説します。

5.1 回転性めまいの対処法

回転性めまいは、周囲がぐるぐる回っているように感じるめまいです。良性発作性頭位めまい症などが原因で起こることが多く、特定の頭の位置で症状が悪化するのが特徴です。以下の対処法を試してみてください。

5.1.1 安静にする

めまいが起きたら、まず安全な場所に移動し、楽な姿勢で安静にしましょう。急に動くと症状が悪化することがあります。

5.1.2 頭を動かさない

回転性めまいは、頭の動きによって誘発されることがあります。頭を動かさないようにして、症状が落ち着くのを待ちましょう。頭を固定できる枕などを使用するのも効果的です。

5.1.3 医師の診察を受ける

回転性めまいが繰り返し起こる場合や、症状が改善しない場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。良性発作性頭位めまい症では、耳石 repositioning法などの治療が有効な場合があります。

5.2 浮動性めまいの対処法

浮動性めまいは、ふわふわと浮いているような、地に足がついていないような感覚のめまいです。メニエール病や自律神経失調症などが原因で起こることがあります。以下の対処法を試してみてください。

5.2.1 ゆっくりと動く

急に立ち上がったり、頭を動かしたりすると症状が悪化することがあります。ゆっくりとした動作を心がけましょう。

5.2.2 リラックスする

ストレスや疲労が浮動性めまいを悪化させることがあります。深呼吸をしたり、温かいお風呂に入ったりしてリラックスしましょう。 ヨガや瞑想なども効果的です。

5.2.3 生活習慣を見直す

規則正しい生活を送り、十分な睡眠をとるように心がけましょう。また、バランスの取れた食事を摂ることも大切です。

5.2.4 医師の診察を受ける

症状が続く場合や、日常生活に支障が出る場合は、内科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。

5.3 動揺性めまいの対処法

動揺性めまいは、体が揺れているような感覚のめまいです。小脳の異常や薬の副作用などが原因で起こることがあります。以下の対処法を試してみてください。

対処法	詳細
安静にする	めまいが起きたら、安全な場所で安静にしましょう。
水分を摂る	脱水症状がめまいを悪化させることがあるため、水分をこまめに摂取しましょう。
原因となる薬を服用している場合は医師に相談する	服用している薬が原因でめまいが起こっている場合は、医師に相談しましょう。
医師の診察を受ける	症状が改善しない場合は、神経内科を受診しましょう。

これらの対処法を試しても症状が改善しない場合や、激しいめまい、頭痛、吐き気、手足のしびれなどの症状を伴う場合は、すぐに受診してください。

6. 自宅でできるめまいの予防法

めまいは再発しやすい症状のため、日常生活の中で予防に取り組むことが大切です。ここでは、自宅で手軽にできるめまいの予防法をご紹介します。

6.1 生活習慣の改善

めまいを予防するためには、規則正しい生活習慣を心がけることが基本です。以下の点に注意しましょう。

6.1.1 睡眠をしっかりとる

睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、めまいを引き起こしやすくなります。毎日同じ時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。7時間程度の睡眠を目安にするのがおすすめです。

6.1.2 バランスの良い食事を摂る

栄養バランスの偏りは、めまいの原因となる貧血や低血圧などを招く可能性があります。ビタミンやミネラル、鉄分など、体に必要な栄養素をバランス良く摂取しましょう。インスタント食品や加工食品の摂り過ぎは控え、野菜や果物、魚などを積極的に食べるように心がけましょう。

6.1.3 適度な運動をする

適度な運動は、血行促進や自律神経のバランスを整える効果があります。ウォーキングや軽いジョギングなど、無理なく続けられる運動を選びましょう。ただし、激しい運動は逆効果になる場合があるので注意が必要です。

6.1.4 ストレスを溜めない

ストレスは自律神経の乱れに繋がり、めまいを誘発する可能性があります。趣味やリラックスできる時間を持つなど、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。入浴やアロマなども効果的です。

6.2 めまい体操

めまい体操は、内耳や平衡感覚の機能を改善する効果が期待できます。以下の体操を、無理のない範囲で行ってみましょう。ただし、めまいが強い時は控えてください。

6.2.1 首のストレッチ

首の筋肉の緊張をほぐすことで、めまいを軽減する効果があります。ゆっくりと首を回したり、傾けたりするストレッチを行いましょう。痛みを感じない範囲で行うことが重要です。

6.2.2 眼球運動

眼球運動は、平衡感覚を鍛える効果があります。上下左右に視線を動かす、ゆっくりとした眼球運動を繰り返しましょう。眼精疲労を感じた時は休憩してください。

6.2.3 バランス運動

片足立ちや、つま先立ちなど、バランス感覚を養う運動も効果的です。転倒しないように安全な場所で行い、最初は壁や椅子などに掴まりながら行うと良いでしょう。

6.3 めまいを予防する食べ物はある？

特定の食べ物が直接めまいを予防するわけではありませんが、バランスの良い食事はめまい予防に繋がります。特に、鉄分が不足すると貧血になり、めまいが起こりやすくなるため、レバーやほうれん草などを積極的に摂りましょう。また、ビタミンB群は自律神経の働きを正常に保つ効果があり、豚肉や卵などに多く含まれています。

栄養素	効果	多く含まれる食品
鉄分	貧血予防	レバー、ほうれん草、ひじき
ビタミンB群	自律神経の機能維持	豚肉、卵、牛乳

6.4 めまいがする時にやってはいけないことは？

めまいを感じている時は、急な動きや体位変換は避け、安静にすることが大切です。また、明るい光や大きな音、画面の見過ぎなどもめまいを悪化させる可能性があるので注意しましょう。

7. まとめ

めまいは、回転性、浮動性、動揺性と様々な種類があり、それぞれに異なる原因が考えられます。良性発作性頭位めまい症やメニエール病といった耳の病気から、脳梗塞や脳出血などの深刻な病気、貧血や低血圧、薬の副作用、心身症や自律神経失調症なども原因となることがあります。めまいが起きた時は、まず安全な場所に移動し、楽な姿勢で目を閉じ、水分補給をしましょう。症状に合わせた対処も重要です。日頃から、睡眠、食事、運動、ストレス管理に気を配り、首のストレッチや眼球運動、バランス運動などのめまい体操も予防に効果的です。めまいは様々な要因で起こる症状ですので、改善しない場合や頻繁に起こる場合は、専門家への相談をおすすめします。